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#40 あんがとな [MAJOR]

「あんがとな……言葉飲みこんでくれて……」
by,茂野吾郎(MAJOR)









ワールドシリーズ第6戦。
レイダースVSホーネッツの試合。


茂野吾郎と佐藤寿也がいるホーネッツ。
ギブソンが監督で、ギブソンJr.と眉村、キーンがいるレイダース。


同点の場面で、吾郎は登板する。
寿也とバッテリーを組むのは、プロの公式戦では初であり、気合いが入る吾郎。


しかし、ギブソンJr.との対決で打球が頭部に直撃し、病院へと運ばれる。

試合はレイダースが勝ち、3勝3敗として試合が最終の7戦目にもつれ込む。


吾郎は病院に運ばれたその日に意識を取り戻し、次の試合にはベンチへ入ることができた。

そして、試合にも出場する。


「一年間どんだけチームの最後を締めくくってきてもな、一番大事な最後の試合で、チームのピンチに仕事ができねえクローザーなんかなんの価値もねえ!!」
(吾郎)


と、監督に言い放ち強行出場。


「僕はさほど心配してないよ。君は検査も受けてるし、球も見ても問題ない。そんな杞憂より正直、今この場面を抑えてくれるのは君しかいないと思ってたからね。頼むよ!
(寿也)


そう言われた吾郎は、燃えない訳がない。

ピンチを凌ぎ、打者としてもバッターボックスに立つ。
長打を放つも、ベースランの途中で転んでしまう。


そう、少しづつ、頭部に当たった打球の後遺症が出てくる。

フィールティング中のミスが寿也を不安にさせた。


「さっきから続く、らしくないプレーはただの偶然だよね……」
(寿也)


その不安は的中する。

無警戒で盗塁を許し、ピンチをひろげてしまう。


「タ、タイム!一回、二塁へけん制のサイン出したよね……なんで…」
(寿也)


吾郎が無理してマウンドに立っていることを、このとき寿也は感じる。
しかし、それでも寿也は言葉を我慢し、試合の話題を話す。

まるで、何もなかったかのように寿也は吾郎から離れ、定位置に戻る。


「寿!あんがとな……言葉飲み込んでくれて……」
by,茂野吾郎


「……言ってもムダだからね、昔っから君は……」
by,佐藤寿也


幼なじみのふたりは、お互いをよく理解していた。
ただの幼なじみではなく、バッテリーだからこそ、心中しているのだ。




タカセ




#39 チビの生きる道 [スラムダンク]

「ドリブルこそ、チビの生きる道なんだよ!!」
by,宮城リョータ(スラムダンク)




スポーツの「チーム」で大事なのは、個性の融合である。

武器になるような個性があれば、チームはよりよいものになる。






湘北高校VS山王工業の試合は、何度もこのブログに書いている。

試合の終盤、山王は伝統の「ゾーンプレス」を湘北に向かって仕掛ける。
まさしく、底なしの体力である。


宮城は、山王のふたりの選手たちに阻まれる。
身長の高いふたりは、きついプレスを小さい宮城に仕掛ける。


抜くことができない宮城。

自称「神奈川県No,1PG」宮城。
片想いをしている湘北のマネージャー彩子は叫ぶ。


「リョータッ!!抜けえ、男だろっ!!」
(彩子)


「こんなでけーのに阻まれてどーする。
ドリブルこそ、チビの生きる道なんだよ!!
by,宮城リョータ


その瞬間、低いドリブルでふたりを抜き去る。




宮城は低い選手であるが、その特性を活かしたプレーをする。

それこそ「個性」である。






タカセ

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#38 努力の天才 [NARUTO]

「努力の天才だ」
by,ガイ先生(NARUTO)




「天才」と言われる人たちを、努力なしでは語れない。

むしろ、天才なんかこの世には存在しないのではないか。

生まれてから、何を努力するのか……

答えはそこにあるはずだ。






ロック・リーは、忍者になる前のアカデミーでいじめられていた。

彼には、忍になる「素質」がなかったのだ。

唯一できたのは、「体術」という技。
かんたんに言えば、格闘技の打撃技である。


「せんせー!!たとえ、忍術や幻術は使えなくても、立派な忍者になれることを証明したいです!それがボクの全てです!!」(リー)


彼は、忍者になれた。
そして、担当の先生であるガイにそのことを誓った。


それから、同じ班員である「天才」と言われるネジに挑むが勝てない。

毎日、厳しい自主トレに励む。
それでも勝てない……。

その様子を見ていたガイがリーに近づいてきた。

リーは悔しさのあまり、涙を流している。


「…確かにお前はネジと違う…忍術や幻術の天才でなければ体術の天才でもない…けどなァ、リー……お前もネジを超える力を…その可能性を秘めてる天才なんだぞ……。なぜならお前は…努力の天才だ
by,ガイ先生


だが、リーには信じられなかった。
努力をしたとこで、それが報われるわけでもなく、毎回ネジに挑んでもダメ。


「いくら努力してもボクは強くなれないんじゃないかって…怖くて怖くてたまらないんです!!」
(リー)


自分を信じない奴なんかに、努力する価値はない!!!」
(ガイ)


ガイは、あえた厳しくリーに言い放った。
なぜなら、ガイ自身が昔、リーと似ていたからである。

今では、ガイは天才忍者のカカシと互角の力。
むしろ、毎回ふたりは勝負をするが、ガイが勝ち越している。


「お前も自分の道を信じてつっ走ればいい!
オレが笑って見てられるぐらいの強い男になれ!!」
by,ガイ先生






たしかに、優れている人間はいる。

その人も努力をして、天才と言われるようになる。


リーのような人間もいる。

向いていな人もいる。

しかし、努力を怠らないことが「天才」になる近道なのではないか。

自分を信じること。それは自分にしかできないことである。

向いていなくても、信じて「努力の天才」になり、いつしか「天才」にもなる。




タカセ

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#37 やさしく [タッチ]

「だまって、やさしくキスするんじゃないか……」
by,上杉達也




タッチ (5) (小学館文庫)

タッチ (5) (小学館文庫)

  • 作者: あだち 充




上杉達也は、ボクシング部である。

弟の和也が野球部で、達也は友人の原田に強制的にボクシングをやらされた。


その中、達也はボクシングで初めての練習試合。
和也は高校で初めての公式戦。
そのふたつが同じ日に行われる。

ふたりの幼なじみ南は、野球部のマネージャーとして、和也の公式戦に行くことになる。


「約束して、かならず勝つって」
(南)


「和也じゃあるまいし、そんな約束できるかよ」
(達也)


「げんまん」(南)
達也に有無を言わさず、約束をした。


試合当日。

もちろん、和也は公式戦で勝利。

達也は負けた。


「惜しかったわね………さっき原田くんから電話があったわ………タッちゃんは精いっぱい戦ったって……一生懸命勝とうとしていたって……だからほめてやれって………」
(南)


部屋にこもり、横になる達也に南は話しかけた。


ほめてもらう行為が、達也にはみじめに感じた。
どうでもいい練習試合だったが、南に「かならず勝って」と言われ、意味のある試合になってしまった。


「ゴメンね…」
(南)


「バカやろォ!あやまられたら、なおさらみじめになるだろうが!」
(達也)


「じゃ、どうすればいいのよ?」
(南)


「そうだな…こんなとき、やさしい女の子なら………だまって、やさしくキスするんじゃないか……
by,上杉達也


そして、南は優しく達也に口づけをする。

それが、ふたりのファーストキスであった。




タカセ

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#36 何だっけ [バガボンド]

「何だっけ兄者……」
by,吉岡伝七郎




兄弟というのは、兄がしっかり者、弟が甘えん坊、それが普通である。







吉岡清十郎は兄として、あまりしっかり者ではない。
女遊びが激しく、道場のことは弟の伝七郎に任せっきりである。


宮本武蔵と清十郎が闘うことになる。

清十郎の奇襲であった。

それでも武蔵は清十郎の闘いを受け入れる。


武蔵の実力は、あきらかに伝七郎よりも上であり、それを感じた清十郎は武蔵を殺すつもりで闘っていた。
しかし、清十郎は敗れる。


「そうか……若……あなたは伝七郎さんが武蔵と闘えば勝てないと思って……その前にも知られるずに武蔵を葬り去ろうとなされたのか。初めて見た。若の御遺体に刻まれた、いくつもの古い刀傷。あなたはひょっとして何度も……そうやって伝を守ってこられたのではありますまいか
(植田良平)


植田は、吉岡道場のもとへ届けられた清十郎の遺体を見て、涙を流した。



武蔵と清十郎が闘っていた夜。
伝七郎は道場で兄を待っていた。武蔵との決戦を前に、兄に稽古をつけてもらおうと考えていた。


清十郎の遺体が届けられた朝。
伝七郎は、夜通し道場で待っていた。

すると「伝七郎先生!」と呼ぶ声。余一という吉岡道場の生徒である。


「おう余一。兄者が帰ってきたら首に縄をつけてでも道場へひっぱってきておいてくれ。稽古をする!いいか、逃がすなよ。俺は少し寝る」
(伝七郎)


「伝七郎先生!!若先生が…若先生が…」
(余一)


伝七郎は、肩から横腹まで、斜めに斬られた兄の姿を見て「分からぬ。兄者が斬られるなんて……嘘だろう?」と、信じられない様子。


それでも稽古を続ける。


「体が大きいからといって……力に頼ろうとするな。柄をそんなに握りしめるな。それから何だ……何だっけ兄者……
by,吉岡伝七郎




結局は、兄のほうがしっかり者だったのかもしれない。

弟は兄を慕い、兄は弟を守ろうとした。

それがわかったのは、兄が亡くなってしまってからである。




タカセ


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#36 もうオレには…… [スラムダンク]

「もうオレにはリングしか見えねえ」
by,三井寿(スラムダンク)









湘北高校VS山王工業の後半戦。

三井寿は、スリーポイントシュートを打ち続けた。

前半戦の一ノ倉のスッポンディフェンスが三井の体力を奪い、三井にはスリーポイントを打つことしかできなかった。


「宮城……オレを使え………あ……赤木が……スクリーンかけてくれる………オレがオープンになるぞ……見逃すなよ…!!」
(三井)


体力の限界をむかえているが、三井はパスを要求した。


「オレはもうあの6番を止められねえ。走ることも…抜くことも…何もできねえ……オレから3P(スリーポイント)をとったら、もう何も残らねえ…!!もうオレにはリングしか見えねえ
by,三井寿


赤木は、必死になって相手を身体で止め、三井がその瞬間フリーになる。
そして、三井がスリーポイントシュートを打つ。


スリーのほうが点をつめるたには効率がいいが、決まる確率は低い。
それでも、赤木が身体を張り、宮城がその瞬間を見逃さずパス、三井はスリーポイントシュートを打つ、はずれても桜木がリバウンドをとる。


その形式が湘北の攻撃スタイルになっていた。


「信頼」が生んだ攻撃パターンで、湘北は山王を追い上げる。





タカセ

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#35 がんばれ [ドラゴンボール]

「がんばれカカロット…おまえがナンバー1だ!!
by,ベジータ(ドラゴンボール)





以前、認めたくないやつの話をした(#3)。

http://manga-sokontoko.blog.so-net.ne.jp/2010-12-11



今回もそれに近い。


違うところは、自分よりも実力がなかったやつが、確実に自分を追い越したことでどうするのか。


必死な状況ではなく、冷静な状況で考えた。


結論は……




 




孫悟空は、こう言った。

「落ちこぼれでも、必死になって努力すればエリートを抜くかもよ」#2

http://manga-sokontoko.blog.so-net.ne.jp/2010-12-10



それからときが経った。


ベジータと悟空はライバルであるが、一緒になって闘っていた。いや、正確に言うのなら、一緒は一緒だが、個別で敵のブウと闘っていた。



どちらが闘うのかをじゃんけんし、悟空が勝ち、ブウと闘う権利を得た。



ベジータは外野から闘いを見守り、この宇宙を懸けた闘いを冷静になって見た。



「カカロットすごいヤツだよおまえは……。あの魔人ブウは、オレにはとてもかなう相手じゃなかったあいつと闘えるのはおまえだけだ……なんとなくわかった気がする………なぜ天才であるはずのオレが、おまえにかなわないのが守りたいものがあるからだとおもっていた守りたいという強い心が、得体の知れない力を生み出しているのだと……たしかにそれもあるかもしれないが、それは、今のオレもおなじことだ……オレはオレの思いどおりにするために敵を殺すためにそしてプライドのために闘ってきただが……あいつはちがう勝つために闘うんじゃない。絶対に負けないために限界を極め続け闘うんだだから、相手の命を絶つことにこだわりはしない……あいつは、ついにこのオレを殺しはしなかったまるで、今のオレが、ほんのすこしだけ人の心を持つようになるのがわかっていたかのように……アタマにくるぜ!闘いが大好きで、やさしいサイヤ人なんてよ!!がんばれカカロットおまえがナンバー1だ!!






結論は、最高なことを考えず、最低なことを考える。


「勝つため」ではなく「負けないため」には、どうするのか。


そのことだけを考える。


負けたときの自分を想像すれば、身も震えるぐらいの恐怖がある。


それなら強くなれるはずだ。





タカセ


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#34 泣くな [スラムダンク]

「泣くな。さあ整列だ」
by,赤木剛憲(スラムダンク)




「悔し涙」「嬉し涙」がある。

一人は悔し涙を流し、もう一人は嬉し涙を流した。








全国大会を懸けた、県予選の決勝リーグ。
4チームでリーグ戦を行い、2チームが全国大会の切符を手に入れる。

その大事な初戦、湘北高校は「常勝軍団」海南大付属高校と戦っていた。


「オレは、いつも寝る前に、この日を想像していた…湘北が神奈川の王者・海南とIH(インターハイ)出場をかけて戦うところを毎晩思い描いていた。1年のときからずっとだ」
(赤木)


赤木のそのことばから試合は始まった。
湘北の選手たちのモチベーションは上がった。


試合の終盤、湘北は海南大を追いつめる。

延長にいけば湘北の負けは確実であり、後半で試合の決着をつけなければならない。

残り6秒で桜木花道はリバウンドをとり、赤木にパスする。

しかし、そのパスは敵陣の選手に渡り、ボールをキープされ、無情にも試合の終わりを告げるホイッスルが鳴る。


桜木には信じられなかった。
呆然と立ちつくしていたところに、赤木が近づいた。


「これで終わりじゃねえ。決勝リーグはまだ始まったばかりだ。泣くな。さあ整列だ」
by,赤木剛憲


桜木は「悔し涙」を流した。
その涙が、桜木を変えたことは言うまでもない。



勝てば全国大会の切符を手にできる。
湘北VS陵南。


桜木と木暮の活躍が試合の終盤を制した。


陵南の監督、田岡監督は、試合が終わった後のインタビューで、


「私はあの2人を湘北の不安要素と決めつけていた。桜木は危険な素人。木暮は層のうすいベンチ要因として…だが彼らが試合を決めた。敗因は、この私!!陵南の選手たちは最高のプレイをした!!」
by,田岡茂一


赤木は試合が終わった後に、一人で立ち尽くしていた。

それを見た桜木は赤木に近づいた。


「さぁ整列だ」
by,桜木花道


「嬉し涙」を流した赤木に対して、桜木は自分がされたことをした。





お互いが涙を流した。

ともに違う涙を……。




タカセ








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#33 I love you~後半~ [H2]

「I love you」
by,国見比呂(H2)




昨日の続きです。後半をお楽しみください。








その頃、古賀は三善の家の英会話教室にいた。
三善と古賀しかいない教室。


三善は古賀に、比呂にしてきたことを正直に話した。
古賀はそれを聞き安心する。


「誤解でもなんでも、その間わたしのことをいろいろ考えてくれてたわけでしょ」
(古賀)


嬉しそうに話すが、三善はこの今の状況を、あとで比呂にばらすように考えていた。


「男ってのは妄想の動物でね」
(三善)


要は、古賀には何もしないが、比呂に二人っきりで部屋にいたことを話せば、自動的に比呂は二人が何をしていたか予想がつく。

古賀が比呂に対して「何もなかった」と言っても、それを素直に信じないはず、と三善はふんでいるのだ。
三善は古賀と比呂の仲を壊すのが、はなからの目的であったのだ。


「国見くんにもいったけど、本当に初めてなんだ、こんなに人を好きになったのは。手が汚いのは百も承知だ。でも、どうしてもきみを渡したくない」(三善)


「残念だけど、わたしも初めてなの、こんなに人を好きになったのは……国見くんがわたしのこと嫌いになったとしても、わたしの国見くんに対する気持ちは変わらないわ」
(古賀)


三善が何を言っても無駄であった。
古賀の気持ちは比呂である。


「国見くんがいってたのよ。意外といいやつみたいだって、あなたのこと……わたしはだまされやすいから仕方ないけど、国見くんはだまさないでほしかったな(古賀)


そう言った古賀の目からは、涙が流れた。


三善は力づくで古賀をものにしようとする。
ビルの三階で、窓も少ししか開かない。
絶望的である。なにせ、三善は柔道部のエース。


そのとき、野球ボールが教室の中に投げ込まれた。
少ししか開いていない窓から、ボールは投げ込まれている。
向かいのビルから投げていたのは、比呂であった。


腰を抜かした三善を尻目に「さよなら」と古賀は言い放ち、教室を出て行く。


ビルを出て、信号を渡ったとこに比呂はいた。


古賀は比呂に泣きつく。


「I love you.ちがうか?発音」
by,国見比呂


「ううん。充分通じるよ」
by,古賀春華


この出来事が、二人の距離を縮めたのは、言うまでもない。




タカセ


#32 I love you~前半~ [H2]

「I love you」
by,国見比呂(H2)







比呂と古賀の二人は、お互いの気持ちを伝えられないでいた。
野球部のエースとマネージャーだが、それ以上の関係でもある。

「友だち以上恋人未満」なのだ。

そんな二人の仲が険悪になる。

三善という男の出現によって……。


三善は帰国子女で、高校2年の夏に比呂たちのいる千川高校に転校してきた。
三善は、英語がペラペラで柔道の腕もたしかである。


古賀はスチュワーデスになるのが夢であり、英会話教室に通い始める。
その英会話教室の先生が三善の父親であった。


古賀はそれ以降、部活を途中で抜ける日も出てきて、英会話教室に通う。
古賀と三善の距離が少しずつ近づく。


比呂はそれが気がかりであった。しかし、平静を装っていた。


「おれに大リーグから誘いが来たら、通訳頼むな」
(比呂)


そう言ったものの、古賀のいない寂しさが比呂の心のどこかにあった。


比呂のランニング中、三善は比呂に近づいてきた。


「春華のことで話があるんだけど」
(三善)


そう言うと、比呂と古賀の関係性について詳しく知っていた。


「聞けば、デートらしいデートも数えるほど。未だに『愛してる』はもちろん、『好きだ』の一言すらないらしいね」
(三善)


その他にも、古賀が比呂にしてきたことなどが三善に知られていた。


「彼、時々電話をくれるんだけど、わたしが出るとすべて英語で話してくるの。大変だけど、すごく勉強になるわ」
(古賀)


と言ったことが、比呂の脳裏に浮かんだ。


三善は、比呂の幼馴染みの雨宮ひかりの名前まで出し、「泣かせたりしないでくれよ!頼む!」と言い放つ。


比呂は古賀に対する怒りがわく。古賀に対して「英語だとおしゃべりになるんだな、おまえは」と言い、少しずつ距離が遠くなる。


それからも、二人の距離が縮まることはなく、三善は比呂に対して再度忠告を下す。


「以外といいやつみたいだな。三善っていったっけ?あいつ」
(比呂)


「国見くんほどじゃないけどね」
(古賀)


「なんでおれがいいやつなんだよ」
(比呂)


「だって、一番好きだもん」
(古賀)


そう言うと、古賀は英会話教室へと向かっていった。


すると、同じ野球部の木根が比呂に「あれ、古賀ちゃんは?」と疑問を投げかけ、比呂に対して三善のことを話し始めた。

三善がいろいろ知っていたのは、木根のせいだったのだ。
「おしゃべり」は木根であった。


「おっかしいな、三善ンとこ、今日は両親が泊まりがけの温泉旅行で、英会話教室は休みのはずだけどな」
(木根)




長文ですので、続きはまた明日です。

お楽しみください。





タカセ

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