#34 泣くな [スラムダンク]
「泣くな。さあ整列だ」
by,赤木剛憲(スラムダンク)
「悔し涙」と「嬉し涙」がある。
一人は悔し涙を流し、もう一人は嬉し涙を流した。
全国大会を懸けた、県予選の決勝リーグ。
4チームでリーグ戦を行い、2チームが全国大会の切符を手に入れる。
その大事な初戦、湘北高校は「常勝軍団」海南大付属高校と戦っていた。
「オレは、いつも寝る前に、この日を想像していた…湘北が神奈川の王者・海南とIH(インターハイ)出場をかけて戦うところを毎晩思い描いていた。1年のときからずっとだ」
(赤木)
赤木のそのことばから試合は始まった。
湘北の選手たちのモチベーションは上がった。
試合の終盤、湘北は海南大を追いつめる。
延長にいけば湘北の負けは確実であり、後半で試合の決着をつけなければならない。
残り6秒で桜木花道はリバウンドをとり、赤木にパスする。
しかし、そのパスは敵陣の選手に渡り、ボールをキープされ、無情にも試合の終わりを告げるホイッスルが鳴る。
桜木には信じられなかった。
呆然と立ちつくしていたところに、赤木が近づいた。
「これで終わりじゃねえ。決勝リーグはまだ始まったばかりだ。泣くな。さあ整列だ」
by,赤木剛憲
桜木は「悔し涙」を流した。
その涙が、桜木を変えたことは言うまでもない。
勝てば全国大会の切符を手にできる。
湘北VS陵南。
桜木と木暮の活躍が試合の終盤を制した。
陵南の監督、田岡監督は、試合が終わった後のインタビューで、
「私はあの2人を湘北の不安要素と決めつけていた。桜木は危険な素人。木暮は層のうすいベンチ要因として…だが彼らが試合を決めた。敗因は、この私!!陵南の選手たちは最高のプレイをした!!」
by,田岡茂一
赤木は試合が終わった後に、一人で立ち尽くしていた。
それを見た桜木は赤木に近づいた。
「さぁ整列だ」
by,桜木花道
「嬉し涙」を流した赤木に対して、桜木は自分がされたことをした。
お互いが涙を流した。
ともに違う涙を……。
タカセ
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