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#29 もう一度 [ONE PIECE]

「もう一度、仲間と呼んでくれますか!!!?」
by,ビビ(ONE PIECE)




ある「印」の話である。

敵の特性を知ったために、その対策として印を決め、その印を「仲間」の印とした。





アルバーナの王女ビビは、国の反乱も治まり、国の復旧が続けられ、スピーチを行うことになった。


「少しだけ冒険をしました」
ビビのそんなことばから始まったスピーチは、ルフィ海賊団のことであったが、国の王女が海賊にいたと知れたら大問題になるため、海賊とは伏せながらルフィたちと出会い、ルフィたちと過ごしたことをたんたんと話していた。


ルフィたちは、ビビのことを沖で待っていた。
このまま冒険を続けるのであれば、12時に沖に待ち合わせを、と約束していたのだ。


ルフィたちは待つものの、12時を回ったら出航しないとならない。
なぜなら海軍がやってくるからである。


そのとき、ビビが訪れた。
拡声器を持ちながら、スピーチをしていたのである。


ルフィたちは喜んだが、ビビは


「私…一緒には行けません!!!今まで本当にありがとう!!!
冒険はしたいけど、私はやっぱりこの国を愛してるから!!!!
だから行けません!!!私は…私はここに残るけど……!!!
いつかまた会えたら!!
もう一度、仲間と呼んでくれますか!!!?」
by,ビビ


その問いにルフィたちは応えることができない。
なぜなら、海軍にバレたらビビが海賊の一味であることを知られてしまうからだ。


しかし、ルフィたちの左腕には「×」の印があった。
敵のマネマネの実の能力を対策するために、ルフィたちが考えたことである。


「よし!とにかくこれから何が起こっても、
左腕のこれが、仲間の印だ」
by,ルフィ


そう決めたルフィたちの左腕には「×」が記されていた。
仲間に送るサインである。


ビビの問いに対して、ルフィたちは左腕を空に伸ばし、高らかに挙げた。
ビビに対する「仲間の印」をルフィたちは示したのである。




その想いは、かならず届いたはずだ。

ことば以外でも、伝える方法がある。

きっと、いつまでも心に残るサインであった。




タカセ


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