#43 関係ねえよ [クロスゲーム]
「関係ねえよ。一位は一位だ」
by,喜多村光(クロスゲーム)
何が起こるかわからない。
人生はいつもそうだ。
何かしらのアクシデントがあり、それが良いほうに転んだり、悪いほうに転んだりする。
月島若葉の死から、4年が経った。
喜多村光の中には、まだ若葉がいる。
若葉に「コウ」と呼ばれていた。
「コウ!」
光の後ろで、自分を呼ぶ声がした。
しかも、誰かにどことなく似ている。
若葉を幻想したが、振り向くと、小学4年生になった紅葉であった。
若葉の妹である。
若葉が亡くなったのは、小学5年生のとき。
そのときの若葉と今の紅葉は、まったく変わりばいがない。
スイミングスクールの帰りの紅葉は、たまたま光を見かけたのだ。
「少しは泳げるようになったのか?」
(光)
「バカ言え!この夏、校内水泳大会四年生女子50m自由形で一位だぞ!」
(紅葉)
「へーそいつは失礼を」
(光)
「ま、優勝候補二人が棄権してたけどね」
(紅葉)
「関係ねえよ。一位は一位だ」
by,喜多村光
そう、関係ない。
一位は一位で、優勝候補の人が来てても勝てたかもしれない。
それに、そこにコンディションを合わせられなかったのも、そこまでの実力であったのかもしれない。
誰にもわからないが、結果は結果である。
タカセ
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